バンコク四方山話「サイショハグー、ジャンケンポン(その5)」 [フィットネス紀行]

この日はよっぽど暇とみえて、特にやらなければならない仕事もないのか、入り口の脇にあるベンチに花子の女の子たちが座ってペチャクチャとおじゃべりをしている。レックちゃんは、彼女が好きだといって注文した「海鮮サラダ」をぱくついている。
すると、私の隣の空いている席に別の女の子が来て「私も飲みたいな~。」と「おねだり」光線を浴びせかけてきた。
「いいよ、いいよ、飲みなさい。」とおねだりされると「断る」ということを知らない小心者の私がいるのである。すると、「今日は暇だから、ゲームしよう!」と言い出し始めた。
「何のゲーム?」
「ジャンケンゲーム」
「ジャンケンゲーム?」
「そう、ジャンケンして、飲む人を決めるの。ジャパニーズスタイルは負けた人が飲んで、タイスタイルは勝った人が飲むの。」
まあ、いずれにしても誰かが飲むことになる。こんなところにもママさんの教育が行き届いているのである。
特に断る理由もなく、「いいよ、いいよ、やろうか。」ということで、私とレックちゃんともう一人の女の子で「サイショハグー、ジャンケンポン!」が始まったのである。
「勝つ」事に関しては強かったのだが、タイスタイルの場合、勝ったら飲まないといけない。だから、勝てばよいというものでもない。ただ、「飲む」といっても、日本みたいにグラスを一気に空けるのではなく、ちょっと口に含む程度なので、高が知れている。
「勝った!」「負けた!」とワイワイガヤガヤやっていると、西欧人が興味を示しこちらをチラチラと見ている。そのうち、彼が連れてきたタイ人の女性がレックちゃんとなにやら話をしているではないか。
で、彼女は西欧人の彼に「あなたもやったら?!」と勧めている。ここで、彼と初めて会話をする機会があった。
彼はベルギーから1ヶ月の予定でタイを訪問しているとのこと。私が「花子は初めてなの?」と聞くと、「いや、何回も来ているよ。」との返事。「花子のスシは旨いぞ!」というと、
「本当に、そうだ。ベルギーにも日本料理のレストランはあるが、こんなに旨いスシは食べられない。」
と言っている。
「ゲームするかい?」
「でも、ルールが…。」
というので、
「難しくない。これがグーで石を表し、これはチョキでハサミ、パーは紙だ。ハサミは石を切ることができないが、紙は切れる。石は…。」
と説明していると、すぐに理解したようなので、彼も私たちのジャンケンゲームに加わった。
最初はコーラを飲んでいたのでお酒は飲めないのかと思っていたが、負けたら、    彼が連れてきたタイ人の女性が飲んでいた日本酒を飲むと言い出したので、「単にゲームなのだから無理をすることはない。」と言ったが、「大丈夫だ。別に飲めないわけでないから…。」ということで、ゲームは再スタートとなった。
かくして、「ベルギー人の青年」VS「タイ人の女の子(花子)」VS「日本からオヤジ」による「サイショハグー、ジャンケンポン!」でこの夜は更けていくのであった。
フィットネス紀行・四方山話のトップページへ
トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。